オリーブの起源
オリーブの起源は、約6000年前にシリアからトルコ周辺で栽培されたのではないかと言われています。
オリーブは南カフカス山脈からイラン高原やシリア、パレスチナ周辺の地中海沿岸部地域から拡がり、キプロス島からトルコ方面へ、またクレタ島からエジプト方面へと2方向に拡がっていきました。
地中海東部で始まったオリーブの栽培を、当時貿易の民であったフェニキア人が西へ伝えました。栽培の拡大は、地中海諸国を通り、リビア、チュニジアやシシリー島へと拡がり、そこから南イタリアへ、さらにイタリア北部へと拡がっていきます。
栽培文化は、ギリシャ本土、現在の南フランスにあるゴール地方、イタリア半島からシチリア、そして南スペインへと伝えました。 地中海全域で栽培されるようになったのは、紀元前3世紀にイタリア全土を平定したローマ帝国でした。ローマ人は他国を制服するたびに、オリーブの木を植えさせ、現在のスペインなど地中海沿岸全域にその栽培地を広げていきました。
コロンブスのアメリカ大陸発見とともに、オリーブ栽培は地中海地域を越えて拡がっていきます。まず、セビリアから西インド諸島に運ばれ、後にアメリカ大陸へと拡がりました。植民地時代に植物の一つとして持ち込まれてオリーブは、1560年頃にはメキシコにおいても栽培され、その頃ペルー、カリフォルニア、チリ、アルゼンチンでも栽培され始めました。
近代において、オリーブは地中海以外にも拡がりを続け、今日ではその発祥地から遠く離れたオーストラリア、中国、南アフリカ、そして日本においても栽培されています。